条件期限付承認の薬価議論‐各種加算は慎重な検討を/中央社会保険医療協議会合同部会

 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会合同部会は、条件・期限付き承認を受けた再生医療等製品の算定方法に関する議論をスタートした。条件・期限付き承認を受けた再生医療等製品に対する有用性加算などの各種加算、補正加算の適用については有効性の確認が推定であるのを踏まえ、「診療・支払の両側委員から「慎重に検討すべき」との意見が相次いだ。

 同日に開催された中医協総会で条件・期限付き承認を受けた再生医療等製品の保険適用上の一般的な算定方法について合同部会で議論することが了承された。今回の対応は、条件・期限付き承認を受けた再生医療等製品のうち、アンジェスの「コラテジェン筋注用4mg」、テルモの「ハートシート」の2製品が本承認を得られず、薬価基準・材料価格から削除されたのが背景にある。

 これまで条件・期限付き承認を受けた再生医療等製品については、通常の承認を受けた再生医療等製品と同様に薬価算定を行ってきたが、中医協委員から算定方法のあり方を次期制度改正に向けて検討することが必要との指摘が出ていた。

 診療側の江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、条件・期限付き承認再生医療等製品の画期性加算、有用性加算、改良加算、これら加算以外の補正加算の適用について、「臨床データは限定的であり有効性の確認も推定にとどまっており、通常と同じということはあり得ない」とし、慎重に検討するよう求めた。

 ただ、本承認時に薬価にはなかった有効性が客観的に確認された場合には「イノベーション評価として補正加算を検討することに異論はない」とも語った。

 一方、費用対効果評価の適用については再生医療等製品の薬価が高額で、医療保険財政に大きな影響を与える可能性があることから、「適用する範囲を拡大することも検討の余地がある」と現行制度よりも踏み込んだ対応が必要との考えを示した。

 森昌平委員(日本薬剤師会副会長)も「慎重に検討すべき。承認された際に適切に再評価すべき」と同調。支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「有用性加算がつくのはあり得ない。再算定や費用対効果評価制度も通常の製品と同様に取り扱うべき」と述べた。

2025.10.17