徳島県は27日、承認事項と異なる不正製造、製造・品質の管理体制の不備などが確認されたとして、長生堂製薬に対し、医薬品医療機器等法に基づき抗菌薬専門の川内工場(徳島県)に対する28日から4月28日までの32日間の業務停止命令、同工場と第一種医薬品製造販売業(本社:徳島県)に対する業務改善命令を行ったと発表した。同社の行政処分は、不正製造による2021年10月の最大31日間の業務停止命令に続き2回目となる。川内工場は、前回処分による業務改善計画実施中の不正であることなどから、前回を上回る業務停止期間になったと見られる。県は今回、医療上の必要性とシェアの高さから14品目を業務停止命令から除外した。同社によると、これらがほぼ現在の製造品目であるため、供給に影響は出ないと見ている(2面に関連記事)
徳島県が業務停止命令から除外した品目は次の通りで、製造、品質管理、出荷は続けられる。
▽ケフラールカプセル250mg▽セファクロルカプセル250mg「SW」▽セファクロルカプセル250mg「トーワ」▽セファクロルカプセル250mg「JG」▽セファクロル細粒小児用10%「SW」▽セファクロル細粒20%「日医工」▽セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「CH」▽セフジトレンピボキシル錠100mg「CH」▽セフゾン細粒小児用10%▽セフジニル細粒小児用10%「SW」▽セフゾンカプセル50mg▽セフゾンカプセル100mg▽セフスパン細粒50mg▽セフポドキシムプロキセチル錠100mg「SW」――。
川内工場は前回処分当時、社内では品質保証管理機能が一定程度発揮されていると認識されていた。不正に傾いていったのは、品質保証に精通する人材の少なさと、それゆえの逸脱への製造と品質保証の連携対処力の低下、それによる製造側の独自判断の定着と進み、追い打ちをかけたのは経口抗菌薬の需給逼迫だった。生産量増大の中、不正を認識しつつも、納期のプレッシャーや業績影響を懸念して生産を優先していった、と社内調査報告から読める。
今回の違反は、同社が昨年4月に不正を発表したことを受け、徳島県が調査で確認した。県は川内工場に対し、▽医薬品製造管理者は製造所の従業者への監督や製造所の構造設備および医薬品その他の物品の管理を適切に行わず、必要な注意を払わなかった▽GMP省令に基づく製造・品質関連業務を適切に行わなかった▽21年に提出された改善計画書に掲げる改善に向けた取り組みを適切に実施しなかった――ことなどを指摘。4月28日までに業務改善計画の提出を求めた。
日本調剤は同日、本紙に「(長生堂の親会社である)日本ジェネリックを通じて業務改善施策の見直し・強化・進捗を管理し、グループ全体で再発防止、法令遵守、信頼回復を目指す」とコメントした。
2025.3.31