【安全対策調査会】抗てんかん薬で添文改訂‐服用患者の自動車運転可/薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会

 薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は1月28日、サンファーマの「カルバマゼピン」(販売名:テグレトール)など5成分を含有する抗てんかん剤の添付文書改訂案を了承した。現在は服用患者に自動車の運転など機械操作をさせないよう求めているが、関連学会の留意事項を理解した上で、患者の個別状況に応じて操作の適否を医師が判断することが可能となる。厚生労働省は、留意事項を記した情報提供資材を製造販売業者に作成させた上で、改訂を指示する。

 改訂の対象は、▽カルバマゼピン▽バルプロ酸ナトリウム▽ラモトリギン▽ラコサミド▽レベチラセタム――の5成分いずれかを含有する抗てんかん剤。

 これら5成分は眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下など中枢神経系に影響を与える副作用が確認されているため、添付文書の「重要な基本的注意」の項目で、投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意することが記載されている。

 ただ、医師の診断書内容を踏まえて公安委員会が運転の可否を判断するなど、てんかん患者は服用中でも運転を行っている実態がある。5成分の運転技能への影響は投与初期にのみ生じる可能性にとどまるとの論文も公表されている。

 そのため、日本てんかん学会は、投与初期に限定して自動車の運転等を行わないとする内容に添付文書を改訂するよう求める要望書を昨年12月に厚労省に提出していた。

 調査会で厚労省は、直近5年間で医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告された副作用の傾向に大きな変化はなく特段の安全性上の懸念は見られないこと、米国の添付文書では薬剤の服用中に一律に運転を禁じていないことなどを説明。これらを踏まえ、運転など危険を伴う機械操作の適否は関連学会の留意事項を十分理解の上、医師が慎重に判断して適切に患者に指導すること、眠気等が現れた場合は操作を行わないよう患者に指導することとする改訂案を示した。

 関連学会の留意事項では、服用による副作用がある際には運転等を行わないよう指導するなど医師が注意すべきことなどを記しており、適切に医療現場に周知できるよう製造販売業者が資材を作成する。

■併用禁忌解除の改訂案も

 一方、同日の調査会では、バイエル薬品の肺高血圧症治療剤「リオシグアト」(アデムパス錠)と、塩野義製薬の「エンシトレルビルフマル酸」(ゾコーバ錠)またはアンジェスの「ロナファルニブ」(ゾキンヴィカプセル)との併用について、併用禁忌を解除する添付文書の改訂案も了承した。

 具体的には、エンシトレルビルとロナファルニブの添付文書で、リオシグアトとの併用を「禁忌」「併用禁忌」の項目から削除し、「併用注意」の項目で注意喚起を行う。併用時には、リオシグアトの通常の開始用量より低用量(1回0.5mg1日3回)からの開始または必要に応じた減量を考慮することも注意喚起することとした。

 リオシグアトとアゾール系抗真菌剤の併用については、昨年4月の調査会で併用禁忌の解除が了承された一方、エンシトレルビル、ロナファルニブとの併用禁忌解除に関しては、 CYP1A1の阻害作用の有無と程度が判断できないとして、両剤の阻害作用を確認するインビトロ試験結果等の提出を待ち、改めて審議することとしていた。

 同試験の結果、併用時のリオシグアトの曝露量増加の程度は、HIVプロテアーゼ阻害剤を併用した臨床試験で認められた曝露量増加の程度と同等またはそれ以下とし、開始用量・維持用量の減量、低血圧の症状と徴候のモニタリングなどリスク最小化策を講じることで、併用時の安全性確保は可能とした。

2026.02.02