管理薬剤師が複数店舗兼務‐日薬は企業体質を問題視/コクミン

 イオングループのウェルシアホールディングス傘下でドラッグストアチェーンのコクミン(大阪市)は、同社が運営する複数店舗の管理薬剤師が本来配置されるべき薬局以外で薬事業務を行っていた不適切事案が確認されたと公表した。同社は関係自治体・当局に報告し、現在指導を受けながら対応を進めているとしている。薬局ごとに専任配置が求められる管理薬剤師が複数店舗で兼務していた問題について、日本薬剤師会の岩月進会長は11日の定例会見で「管理薬剤師の兼務はあり得ない。企業体質が問題であり、一部の行為によって業界全体が悪く見られるのは迷惑だ」と厳しく批判した。

 同社は2日、「お客様をはじめ関係者に多大な迷惑をかけたことを心よりお詫びする」と謝罪。本紙の取材に対し、全国に約80店舗ある処方箋応需薬局を対象に社内調査を実施した結果、大阪府、兵庫県、福岡県に所在する計12店舗で管理薬剤師の兼務が確認されたと説明した。

 当初は過去1年間を対象に調査を行っていたが、現在は対象期間を過去2年間に拡大し、最終的には過去3年間にわたる調査を完了させる方針。合わせて社内教育の実施、職務権限規程の見直し、薬剤師不在時における閉局判断基準の明確化など、再発防止策の整備を進めていることも明らかにした。

 事案が発覚したのは、昨年11月30日に社内通報制度を通じて受領した匿名の内部通報がきっかけで、社内ヒアリングの結果、西日本エリアを担当するエリアマネージャー2人が通常営業を継続するため、管理薬剤師に兼務を指示していた事実が判明した。担当者らが法令に抵触する可能性を認識していたことも確認されたという。

 行政処分の有無やその内容は現時点で確定しておらず、同社は「どの法令に、どのような形で抵触するか保健所などと確認を進めている段階にある」と説明している。

 同社は、薬剤師不在時の閉局判断基準の明確化に取り組むと共に、不適切に算定された可能性のある調剤報酬の返還も検討している。今後も追加の遡及調査を継続し、管轄保健所などの指導に従いながら適切に対応していく方針だ。

 一方、ドラッグストアチェーンによる不祥事に対しては批判の声も上がっている。11日の中央社会保険医療協議会総会では、森昌平委員(日本薬剤師会副会長)が「管理者の責務をないがしろにしただけでなく、薬剤師倫理にも反する許しがたい行為が行われていた。調剤報酬の返還にとどまらず、薬事を含む行政の調査に全面的に協力すると共に、医療提供施設としての薬局経営や組織のあり方、薬剤師を十分に確保できない店舗の運営、店舗展開の考え方を見直し、信頼回復に努めることを強く求める」と発言した。

 また、岩月氏は「根本的な原因は、薬剤師が不足しているという源流の問題にある。薬剤師が確保できていないにも関わらず営業を続けていた企業姿勢に問題がある」と指摘。「業界全体が悪いかのように受け止められるのは迷惑であり、企業は事実の重みを真摯に受け止め、早急に改善すべきだ」と述べた。

2026.03.13