
08.06.25
【薬剤師関連ニュース】「肝炎研究7カ年戦略」基礎・臨床・疫学を連携 −治癒率や生存率の向上を 厚生労働省肝炎治療戦略会議 (薬事日報 2008年6月25日)
B・C型肝炎の治療・研究で重点化すべき分野やその体制整備を検討する厚生労働省の「肝炎治療戦略会議」(座長:林紀夫大阪大学大学院消化器内科教授)は20日、「肝炎研究7カ年戦略」をまとめた。今後7年間で、新たな検査法や治療法の開発支援を行い、難治性C型肝炎根治率の50%から70%への引き上げ、肝硬変や肝癌の5年生存率改善を目指す。厚労省は、研究費の確保などを来年度予算要求へ反映させる。 戦略は、臨床、基礎、疫学の各分野が連携し、肝炎をはじめとする肝疾患の全体像の解明に迫る。また、新たな検査法の開発や新規治療法の開発を行い、その成果を予防、診断、治療に生かし、治療成績の向上につなげていく。 戦略によると臨床面では、▽多剤耐性ウイルスの機序解明▽新規治療薬の開発▽より副作用の少ない治療法▽肝線維化機序の解明▽ヒトiPS細胞を利用した肝再生や肝機能回復に資する研究▽診断マーカーや最新の画像機器を用いた超早期発見技術の開発――などの研究に取り組む。 基礎面では、ウイルス感染後の病態進行や薬剤耐性変異の機序解明、ウイルス感染後の宿主因子の明確化も行う。疫学では、感染者の実態を明確にするため、全国規模で継続的に検診・予防・医療体制の評価を行う。 こうした取り組みにより、2015年までに▽B型肝炎の臨床的治癒率を現状の約30%から約40%まで改善▽C型肝炎(1b型)の根治率を現状の約50%から約70%まで改善▽非代償性肝硬変(チャイルドC)における5年生存率を現状の約25%から、B型肝炎由来では約50%まで、C型肝炎由来では約35%まで改善▽進行肝癌5年生存率を現状の約25%から約40%まで改善――することを目指す。 そのため肝炎等克服緊急対策研究費など、研究費のさらなる重点化を行う。また、各研究機関で独自に行われている肝疾患研究の集中化と研究情報の一元化を図る。 具体的には、国立感染症研究所で研究の方向性を定め、研究成果の情報収集・解析、研究者の育成を行うなど、肝炎研究の中核機関としての機能を充足させる体制整備を図る。 臨床研究や情報発信を担う国立国際医療センターの役割も重要とし、両機関が互いの機能を補完しながら肝炎研究をリードすることも必要とした。 また、基礎、臨床、疫学など全ての研究分野で生じている肝炎研究の人材不足に対応するため、若手研究者の育成・活用などの取り組みの充実・強化も図る。 国際交流により最新の研究情報を取り入れる。外国人研究者の招へいの事業費、海外への日本人研究者の派遣事業費、海外の研究機関等への委託事業費などの重点化を図り、人的交流も行う。
(薬事日報 2008年6月25日)
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