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08.05.14

【薬剤師関連ニュース】DDS技術、医薬品創製の基本戦略−報告書で提言
ヒューマンサイエンス振興財団 (薬事日報 2008年5月14日)

 「DDS技術は医薬品創製の基本的戦略であり、官民一体となった基礎研究・応用研究の強化が求められる」――ヒューマンサイエンス振興財団がこのほどまとめた報告書「ポストゲノムの医薬品開発とDDS技術の新展開」で、このように提言している。さらに、苦戦が強いられているベンチャービジネスへの、強力な支援が必要とも指摘した。 
 


【官民一体となった取り組みを】 
 
 近年の医薬品開発は世界的に低迷しているといわれる中、バイオ医薬品の売り上げがここ5年間で毎年20%伸び、今や全医薬品の売り上げに占める割合が17%になったのに加え、メガファーマによる抗体医薬や核酸医薬の先端技術を持つバイオベンチャーの大型買収なども相次いでいる。バイオ医薬品が医薬品ビジネスになくてはならない存在になった。 
 
 また、数十年前に導入されたDDSの概念は、“バイオナノテクノロジー”を応用することにより、薬物送達の制御を一段と向上させることができるため、DDSが改めて注目されている。 
 
 今回まとめられた報告書は、この状況を踏まえ、バイオ医薬品開発やDDS技術の動向をまとめた内容となっている。 
 
 報告書では、ポスト抗体医薬として核酸医薬の潜在能力の高さが注目され、欧米のメガファーマは抗体医薬に加え核酸医薬獲得に向け、既に巨額の投資を行っているが、日本の大手製薬企業はこうした世界的動きに遅れをとっていると、問題点を指摘している。 
 
 さらにDDS技術は、これまで主として既存薬物のライフサイクルマネジメントに活用されてきたが、化合物の複雑化や、要求される基準も高くなった今日、必要な特性を完備した新規化合物を得ることは容易でないとし、DDSが新規化合物の課題を補完することは明らかだと現状を分析。 
 
 「各製薬企業には自社技術の改良のみでなく、大学やベンチャー企業が持つ新技術の取り込みも見据えた戦略が求められる」とすると共に、行政には日本の優れた基礎研究成果を、国内企業が利用しやすくする制度の整備を求めている。 
 
 DDS市場に関しては、日本は欧米に比べ立ち後れているが、粒子を微細化して溶解性・吸収性を改善する技術をはじめ、日本は基礎研究で世界をリードしているとし、「新規化合物と独自の製剤技術の組み合わせによって医薬を市場に出していくことが、医薬創製の基本戦略となることは間違いない。産学官一体となった基礎研究・応用研究の強化が求められる」と提案している。 
 
 一方、日本のバイオベンチャーの起業数は廃業数を大幅に上回り、2006年も増加傾向にあるが、最近3年間の増加率は、04年が19・9%、05年が14・4%、06年が10・4%と低くなりつつある。報告書では、「日本のバイオベンチャー企業はさらに飛躍的な増加が必要」なことを強調し、強力な支援が必要としている。 
 
 さらに、バイオベンチャー企業が単独で事業展開するだけでなく、地域クラスター化によるインキュベーション機能の強化と、ベンチャー企業間の交流の活発化によって、企業を高質化することが求められるとし、そのための公的資金投入によるバイオベンチャー企業の支援・育成策が重要と提言している。 
 
 最後に、医薬品産業を取りまく環境は、ゲノム科学(生命科学)の進歩により、▽新たな創薬アプローチ▽個の医療の実現▽研究開発費の増加▽主なブロックバスター薬の特許切れとジェネリック薬の伸長▽バイオ医薬の発展――などにより、大きな転換期に入ろうとしていると指摘。 
 
 「このような流れの中で、各製薬企業はより効率的な研究開発アプローチの構築と共に、自らの存在(企業)価値がどこにあるかをより明確にした戦略の策定と実践が求められる」とまとめている。 
 


(薬事日報 2008年5月14日)


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