
08.03.10
【薬剤師関連ニュース】次回に薬害対策審議入り−“二重組織・脆弱性”が論点 自民党薬事政策のあり方検討会 (薬事日報 2008年3月10日)
薬害再発防止策を検討している自民党の「薬事政策のあり方検討会」は、7日までに識者などからの意見聴取を終え、次回には論点整理を行い、防止策の本格的な検討に入る見通しとなった。論点は次回までに示されるとみられるが、承認審査、安全対策が厚生労働省医薬食品局と医薬品医療機器総合機構の二つの組織で行われていることについて、責任の所在があいまいとか、非効率との指摘があり、検討課題となりそうだ。また、副作用報告が年間約3万件という中で安全対策に携わる人員が少なすぎるため、体制強化の必要性も浮上しそうだ。
--------------------------------------------------------------------------------------
検討会はこれまで厚生労働省医薬食品局、薬害C型肝炎被害者、7日の第4回会合では学識経験者、日本製薬団体連合会から意見聴取した。座長の大村秀章衆議院議員は、意見聴取を踏まえ次回までに論点整理し、議論することを伝えた。 7日の意見聴取で日薬連の森田清会長は、[1]日本は欧米に比べ網羅的に副作用などの情報を迅速に報告することが求められている[2]その情報を短期間に医療関係者に伝えるシステムもある[3]リスクの高い発売直後の安全性を確保する制度もある――と説明した。 一方、東京大学の金澤一郎名誉教授は、厚労省と総合機構の「二重構造」は非効率的であり、「責任の所在があいまいになる要素がある」と指摘し、新薬承認審査、薬害防止の双方とも実施が困難だと主張。承認審査、安全対策は厚労省から切り離した1000人程度からなる独立組織「医薬品安全委員会」(仮称)を創設し、その委員会が担うことを提案した。
また、九州大学大学院薬学研究院の内海英雄教授は、新薬は発売から2年程度は予想しなかった重篤な副作用が発現するリスクがある一方、安全対策に携わる人員が厚労省と総合機構合わせ57人と「脆弱」だとし、企業側の体制にも同様の問題があるとの認識を示した。承認後の新薬評価について「副作用報告に依存しすぎ」とも指摘した。医薬品の評価は「比較考量」にあるはずで、副作用報告だけでなく、薬剤疫学の統計的手法を活用した評価が必要だとした。 検討会側には当初から、薬害防止策について、リスクを恐れて新薬承認に悪影響を及ぼすことのないような仕組みにつなげたいという思いがある。今回指摘された「二重構造」や安全対策体制の「脆弱」さは、新薬承認にも悪影響する恐れもあり、今後の検討で注目されることになりそうだ。組織の一元化は難しいとみられるが、現行体制の中での責任の所在や連携の確保などは求められるものとみられる。 そのほか7日は、薬害防止における医師や学会の責任も検討する必要があるとの意見が出ていた。
(薬事日報 2008年3月10日)
|