
08.03.03
【薬剤師関連ニュース】血液製剤、微生物の不活化検討−安全性向上へ 夏には結論 薬事・食品衛生審議会血液事業部会安全技術調査会 (薬事日報 2008年3月3日)
厚生労働省医薬食品局は、輸血用血液製剤に混入した微生物を不活化する技術を導入する方針を固め、2月27日の薬事・食品衛生審議会血液事業部会安全技術調査会に検討を求めた。献血血液中のHIV感染件数の増加など、感染リスクが高まっており、何らかの対策が必要として取り組むことになった。調査会では、不活化処理による有効成分減少に伴う製剤使用量の増加や、処理用薬剤による副作用リスクが生じる恐れがあることから慎重に検討することにしている。同局は導入すべき範囲や方法、安全性などのリスク、費用と効果を検証後、夏までに判断を得たい意向だ。 不活化法としては、血液に入れた薬剤に近紫外線など一定波長の光を照射することで、感染性因子の核酸を破壊する方法が海外では行われている。 調査会で花井十伍委員(ネットワーク医療と人権)は、「(血液中に入れる)薬剤の副作用などのリスクと、導入によるメリットを比較した上で、導入の可否を決定すべき」と慎重な姿勢を見せた。 さらに委員からは、不活化処理に伴う製剤の活性低下を懸念する指摘も出た。不活化処理に最も使われている薬剤「メチレンブルー」では、輸血用血液製剤中の凝固因子活性が2〜3割低下するという。 同局の血液対策課でも「不活化によりフィブリノゲン量が低下すれば、血液製剤の必要量は1・5倍にもなる。ドナー確保にもつながる問題」とし、検討が必要だとしている。 同課では、リスクも含めて検証を進めるとしたが、「肝炎やHIVなどで、不活化していなかったために感染したということがあってはならない」と導入の必要性を強調した。次回は処理用薬剤のメーカーや販売元3社から安全性の問題を中心にヒアリングする。 英国やベルギー、スペインなどで血漿に対しては実施されているが、血小板への実施例は少ない。米国では現在、導入を検討中という。 血液製剤の病原体不活化は、2004年に厚労省がまとめた血液製剤の安全対策に盛り込まれ、日本赤十字社が検討を進めていた。1月には舛添要一厚生労働相が国会で、輸血によるHIV感染への対策を問われ「結論を出すよう督促する」と答弁していた。
(薬事日報 2008年3月3日)
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