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08.02.08

【薬剤師関連ニュース】米アムジェンの日本法人を買収−バイオ医薬品開発に
本格参戦 武田薬品 (薬事日報 2008年2月8日)

【将来的な成長戦略を描くキーに】 
 
 武田薬品は4日、米バイオ医薬品大手「アムジェン」の日本法人を買収すると発表した。譲渡契約は、アムジェンが開発している癌、炎症領域などのバイオ医薬品に関するライセンス契約を含むもので、武田薬品は3月末までにアムジェン日本法人の全株式をアムジェンから取得し、完全子会社化する。昨年来、国内製薬大手を中心に合併・買収が繰り広げられてきた「バイオ競争」は、米大手のアムジェンにまで及び、将来的な成長戦略を実現するには、バイオ医薬品が大きなカギを握るという現実が改めて鮮明になった格好だ。 
 
 今回の株式譲渡契約に基づき、アムジェン日本法人は、武田薬品の完全子会社として、アムジェンが導出した品目の臨床開発を担当する。また、ライセンス契約としては、VEGF受容体など複数のキナーゼを阻害する抗癌剤「AMG706」(モテサニブ)、EGFR抗体「パニツムマブ」など、13品目が契約対象となっている。 
 
 具体的な契約対象品目は明らかにされていないが、アムジェンでは開発中の「AMG102」「AMG479」「AMG655」など、癌領域で充実した抗体パイプラインを持っており、これらが契約対象に含まれている可能性もある。 
 
 ライセンス契約に基づき武田薬品は「モテサニブ」に関する日本での独占的開発・販売権、海外におけるアムジェンとの共同開発・販売権を獲得する。「モテサニブ」の開発に当たって、武田薬品はアムジェンに契約一時金2億米ドルを支払うと共に、日本における開発費用全額と海外における開発費の60%を負担する。 
 
 また、2回目の効能取得までは、開発の進捗に応じて最大1億7500万米ドルの成功報酬、日本での販売額に応じた対価をアムジェンに支払う。海外販売から得られる利益については、武田薬品とアムジェンが等分することになった。 
 
 一方、「モテサニブ」以外の開発品については、武田薬品が日本での独占的開発・販売権を取得し、これらの開発に当たっては、武田薬品がアムジェンに2億米ドルを契約一時金として支払うと共に、日本における開発費全額と、海外における開発費の一部を最大3億4000万米ドルまで負担する。 
 
 さらに開発の進捗に応じて、最大3億6200万米ドルの成功報酬、販売額に応じた対価を支払う。一方でアムジェンは、契約対象の全品目について、日本における並行販促権を持つ。 
 
 武田薬品は、激しさを増す抗体医薬の開発競争に対応するため、03年にキリンビールからヒト抗体技術を導入したのを皮切りに、数々の技術導入を進めてきた。昨年11月には米国に子会社「武田サンフランシスコ」を設立し、抗体医薬の開発に向けた研究基盤を一層強化する体制も整えた。 
 
 しかし、競争が激しい抗体医薬の開発を最初から自社で行う必要があるだけでなく、仮にこれから導入品の開発に着手したとしても、明らかに出遅れの感は否めなかった。欧米の大手製薬企業やバイオ企業はもちろん、国内を見ても、充実した抗体パイプラインを持つ中外製薬、抗体連合を誕生させた協和発酵キリンなど、先行企業がひしめいているのが現状だ。 
 
 今回のアムジェン日本法人の買収は、世界トップクラスのバイオ医薬品企業であるアムジェンの充実した開発品目を一気に導入して、抗体医薬の開発競争で巻き返しを狙ったものと言える。昨年末には、アステラス製薬が米バイオ企業「アジェンシス」、エーザイも米バイオ企業「MGIファーマ」を相次いで買収するなど、他の国内大手もバイオ医薬品の強化に動いたばかり。その数カ月後に武田薬品がアムジェン日本法人の買収に動いたことは、今後の再編含みも絡んで大きなインパクトを与えそうだ。 



(薬事日報 2008年2月8日)


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