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08.01.28

【薬剤師関連ニュース】公立薬系3大学が連携
名古屋市立大学、静岡県立大学、岐阜薬科大学 (薬事日報 2008年1月28日)

 名古屋市立大学、静岡県立大学、岐阜薬科大学の薬系公立3大学は22日、東海地区の薬学教育研究拠点の形成を目指し、大学のあらゆる分野における連携・協力に関する基本協定を締結した。既卒薬剤師への生涯学習を連携して実施する体制を構築するほか、6年制の薬学教育を充実させるべく問題点や改善点を3大学で共有する。将来は、ITを活用した単位互換や、4年制課程での連携大学院の設置なども視野に入れている。大学の連携を支援する姿勢を示している文部科学省の来年度新規事業「戦略的大学連携支援事業」に向け、このタイミングで協定の締結に至ったという。複数の薬系大学が広域で連携するのは初めて。 
 
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【生涯教育の共同実施や薬学教育の充実を推進】 
 
 同日、名市大の本部棟で開かれた協定書調印式には3大学の学長や薬学部長らが出席。式の終了後に記者会見が行われた。 
 
 公立大学として薬学部を持つのは全国にこれら3大学しかなく、東海地区に集中している。以前から3大学は公立大学協会の薬学部会を通じて交流があり、公立大学に特有の問題について意見交換を行ってきた。2006年度から始まった新しい薬学教育制度についても「3公立大学でどのように協力し発展させていくか、話し合ってきた。その結果が今日の協定締結に至った」(岐阜薬大学長永井博弌氏)という。 
 
 3大学の連携範囲は教育・研究面と幅広く設定されており、その具体的な内容は今後、話し合いながら詰めることになる。 
 
 「6年制薬学教育が始まっており、その学生教育をどうするかが第一。その次には、既に卒業している薬剤師に対してどうリカレント教育をしていくか。次いで各大学が持っている研究の内容をいかに高め、連携を図るか」と名市大理事長・学長の西野仁雄氏は話した。名市大は名古屋工業大学、岐阜薬大は岐阜大学と個別に連携しており、その関係を背後に置きながら連携の内容が検討される。 
 
 話し合いの場としては、公立大学協会薬学部会をベースにするほか、各大学の実務家教員の連携を深める協議体を作る予定という。 
 


【リカレント教育を拡充】 
 
 まずは、比較的取り組みやすい生涯教育の連携が具体的に進みそうだ。 
 
 岐阜薬大は予防医学に強いなど各大学にはそれぞれ特色があり、個別に実施する生涯教育にもそれが反映されている。こうした特色をお互いに持ち寄りながら、生涯教育内容の共同立案、他大学への講師派遣、他大学の卒業生受け入れなどを実施する予定だ。「キャリア支援のためのリカレント教育をやりたい。最先端の薬学教育に対する学び直しの場を提供したい」と西野氏は強調した。 
 
 名市大に今春赴任予定のリカレント教育の専任教員を中心に、各大学の生涯教育担当教員らからなる協議体を作って、具体的な内容が話し合われる。ここには各県の薬剤師会にも参画してもらい、将来は他の私立薬系大学などにも輪を広げたいという。  

 
【6年制教育の充実に向け意見交換も活発に】 
 
 6年制教育の充実に向けて、3大学の意見交換も活発に行っていく。 
 
 06年度から始まった6年制教育課程の学生が一般教養や基礎系の過程を終え、実践的な新しい教育を受ける体制が今春から本格化する。教育のノウハウが積み上がっていないこの分野の教育について、3大学の問題点や改善点を共有化し、「意見交換しながら、スキルアップを図っていきたい」と永井氏は話した。 
 
 このほか、3大学が設置している、薬科学研究者の育成を主にした4+2年制課程の充実にも取り組んでいく。西野氏は「お互いに連携、切磋琢磨しながら伸ばすコンソーシアムを、4年制の後の大学院も含めて考えていきたい」と語った。 
 
 その構想について名市大大学院薬学研究科長・薬学部長の水上元氏は「例えば、特定のコンセプトの人材養成を共同でやっていければいい」とし、創薬マインドを持った即戦力型の技術者の養成などを例示した。 
 
 静岡県立大学学長の西垣克氏も「(4+2年制課程を)いかに魅力的にしていくかがわれわれに課せられた課題」「どういう能力を持った人材を育成していくか、試行錯誤している」と話し、共通の到達度別テストの実施やセミナーの共同開催などに取り組みたい考えを披露した。 
 


【連携生かす特徴打出す】 
 
 現在、公立大学といえど運営母体が各大学法人に移管して独立経営を迫られ、厳しい環境下に置かれている。水上氏は「危機意識はものすごく強い。各大学が特徴をもったことをやらなければならない。また、自分だけ良いというのでは自分のところも地盤沈下してしまう。全体としてこの地域の薬学教育を底上げ、底支えしなければならない」としている。 
 
 協定締結後の第一弾の事業として3大学は共同で3月15日に、薬学教育・研究を考えるシンポジウムを名古屋市内で開催する計画だ。 


 
(薬事日報 2008年1月28日)


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