
07.09.14
【薬剤師関連ニュース】江利川事務次官就任会見−「2200億円」削減は重い数字、 “3点セット”での対応が基本 厚生労働省 (薬事日報 2007年9月14日)
厚生労働省の新しい事務次官に就任した江利川毅氏は12日、専門紙記者団との就任会見に応じ、厚生労働行政に全般における所見などを語った。焦点となっている社会保障関係費の自然増2200億円の削減について、事務次官は「かなり重い数字だ」との認識を示しつつも、具体的には、薬価の引き下げなどいわゆる“3点セット”で対応する考えを示した。一方、薬価制度改革に関しては、「医薬品が医療に果たす役割は大きい」ことを強調し、「新薬でも特許期間が過ぎれば、後発医薬品に置き換わるような制度も必要ではないか」などと話した。さらに製薬企業に対し、「研究開発力も重要」との認識を示し、世界を視野に入れた戦略を描くよう注文をつけた。 江利川氏は事務次官就任に関し、「あまりにも突然の話だった」と振り返りつつも、「私自身、旧厚生省出身であり、強い要請もあったので引き受けた」と異例の事務次官就任の経緯を説明した。また、厚生労働行政は課題が山積していることから、「職員の士気を高め、創造力が発揮できるようリーダーシップをとっていきたい」などとし、一致団結して難局を乗り切る考えを強調した。 当面の課題では、予算編成で社会保障関係費の自然増2200億円の削減が求められているが、「2200億円という数字は昨年も厳しかったと思うが、今年は特に重い数字だ」と語り、年末までに対応を決めていくと語った。 現在のところ厚労省では、▽薬価の引き下げ▽後発医薬品の使用促進▽被用者保険の財政調整――のいわゆる3点セットで対応する方針を掲げているが、「これは前大臣の体制で考えていたものであるが、舛添大臣も引き継ぐと言っている。まずこれで対応したい」と指摘。その上で「もし、対応が難しいとなれば、その時点で改めて考えたい」とし、当面は3点セットで2200億円を削減できるよう省全体で全力を挙げる考えを示した。 また、2008年度に創設される新たな高齢者医療制度については、「これまでは増える高齢者の医療費を、どう賄うのかが背景にあった」とし、新しい制度はこうした点の解決を目指したものだと強調。そして、「理解を得ながら円滑な実施に向け準備を進めていきたい」としたほか、次期診療報酬改定に対しても、「診療報酬は技術を評価するものだが、これまでも診療報酬を通じて、解決できる課題は検討してきている」と指摘。特に、医師不足や新しい高齢者医療制度については「議論が進みつつある」とした上で、全体像をみながら、改正に取り組みたいと語った。
【薬価制度、新薬評価は重要−製薬企業は国際戦略考えて】
一方で、薬業界が注目する薬価制度改革について、「医療の進歩の多くは新薬の発見にあった」とし、基本的には「新薬は評価されなければならない」との認識を示すと共に、「たとえ良い薬でも経済的な視点から、特許が過ぎれば後発医薬品に置き換わらなければならない」と話し、こうした視点での改革が必要との考え方を提示した。 また、後発医薬品の使用促進については、後発医薬品に対する信頼性の問題もあるとし、「後発メーカーにもしっかりと取り組んでほしい」と要請。その上で、「(使用を促進するには)何らかのインセンティブも必要と思う」と語った。 製薬企業に対し江利川氏は、自らが旧薬務局経済課長を務めた経験を通して、「研究開発は重要だ。気持ちとしては日本企業もぜひ世界トップ10入りを果たしてほしい」と述べたが、一方では世界トップのファイザーでさえ、新薬がなくリストラを進めていることを例に挙げ、「新薬が開発されないと意味がない。企業のあり方はいろいろあるが、世界を視野に入れて戦略を考えてほしい」と話した。
(薬事日報 2007年9月14日)
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