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ニュース詳細



07.09.03

【薬剤師関連ニュース】国際治験へ重点的取組み−医薬関係予算、大幅増額要求
厚生労働省医薬食品局 (薬事日報 2007年9月3日)

《医薬関係概算要求》


【インフルエンザワクチン備蓄に54億円強】


 厚生労働省医薬食品局は、2008年度医薬関係予算概算要求の概要を公表した。要求額は145億6200万円で、07年度予算額に比べ56億4600万円、63・3%もの大幅な増額要求となった。大幅増になったのは新規に新型インフルエンザ対策として、新型インフルエンザワクチン購入費54億円強を要求したためで、その部分を除くと2億5300万円、2・6%の伸びである。来年度は、日米欧3極治験相談推進事業や日中韓治験調査対策など、治験に関連する事業を新たに要求する一方、後発医薬品の信頼性確保にも重点的に取り組む。 
 
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 医薬食品局は概算要求に当たり、[1]有効で安全な医薬品・医療機器を迅速に提供するための対策(要求額=10億2500万円)[2]医薬品等の安全対策の推進(6億0800万円)[3]後発医薬品の信頼性の確保(2億円)[4]医療用麻薬の適正使用の推進(2400万円)[5]薬局機能の強化・薬剤師の資質向上(4億8300万円)[6]麻薬・覚せい剤等対策(3億5200万円)[7]安全、安心な血液製剤の供給確保(7億3100万円)[8]新型インフルエンザワクチン対策(54億4600万円)――の柱を設定した。 
 
 このうち、厚労省全体としても重点事項に挙げられた「有効で安全な医薬品・医療機器を迅速に提供するための対策」「後発医薬品の信頼性確保」に対して、局としても重点事項に位置づけて、積極的に取り組んでいく方針だ。 
 
 [有効で安全な医薬品・医療機器を迅速に提供するための対策]では、世界最高水準の医薬品・医療機器を安全性に配慮しながら、欧米に遅れることなく国民に迅速に提供するため、最適な治験相談・承認審査の実施を目指す。 
 
 一つは、日米欧3極における医薬品共同治験の相談体制を整備するため、新規に日米欧3極治験相談推進事業(要求額1600万円)を立ち上げ、欧米の治験相談体制の情報収集や規制当局との意見交換を行うと共に、国際共同治験の動向や問題点について調査、検討を進める。 
 
 日中韓治験調査対策費(3900万円)も新たに計上。中国・韓国の規制当局及び製薬企業から治験データを入手し、医薬品の有効性、安全性、体内動態に関する民族差の程度や、わが国の承認審査データとして受け入れが可能かどうかについて、科学的に検証する。 
 
 また、重篤な疾患で代替治療法がない場合などに、医師等からの届け出により、治験対象外の患者に未承認薬の使用を認める「コンパッショネート・ユース(CU)制度」の検討も始まる。導入に向けてCU検討費(1000万円)を要求し、届け出に必要な資料や確認方法等の検討、運用上の安全性を確保するために必要な情報の収集を行う。 
 
 医療機器についても、医療上のニーズの高い医療機器について、効率的かつ迅速な審査を進めるため、医療機器国際共同開発・承認促進事業費(1300万円07年度予算に比べ700万円増)を要求した。  


【市販後の重点監視を強化】 
 
 [医薬品等の安全対策の推進]では、より安全な医薬品等の提供を図るため、予測・予防型の安全対策へ移行させるなど、さらなる強化に努める。 
 
 従来から医薬品で進めている市販直後等安全性情報収集事業(2200万円、1000万円増)では、安全性に関する注意を喚起した「重点監視医薬品」について、使用状況や副作用等の臨床現場情報を国が直接収集する監視期間を、従来の6カ月から1年に延長するなど内容を充実させる。さらに医療機器でも医薬品と同様の医療機器市販直後安全使用情報収集事業費(600万円)を新規要求、6カ月程度の期間、使用状況や不具合発生状況等を国が情報収集する。  
 

【後発薬の品質情報提供も】 
 
 [後発医薬品の信頼性の確保]に向けては、先発医薬品との同等性など品質確認を行うと共に、後発医薬品の品質情報を提供していく。 
 
 後発医薬品品質情報提供等推進費(1億5400万円、5500万円増)を計上し、医薬品医療機器総合機構の後発医薬品相談窓口に、医療現場などから寄せられた後発医薬品の品質に関する意見・質問を検討すると共に、必要に応じて試験検査も行う。さらに、後発医薬品の検査指定品目を拡充すると共に、国による立ち入り検査を実施し、検査結果を公表するための後発医薬品品質確保対策費(4500万円、1500万円増)も要求した。 
 
 [新型インフルエンザ対策]では新型インフルエンザの出現・流行が懸念される中で、その発生に備え、「新型インフルエンザ対策行動計画」に基づき、プレパンデミックワクチンの製造・備蓄を行う。  
 

【薬局でヒヤリ・ハット収集】 
 
 [薬局機能の強化・薬剤師の資質向上]では、地域医療の拠点となる薬局の機能強化や医療安全の確保を図ると同時に、薬学教育6年制に対応した実務研修、がん薬物療法専門薬剤師の養成研修などを行い、薬剤師の資質向上を目指す。 
 
 薬局機能の強化という点では、来年度から薬局でヒヤリ・ハット事例の収集事業をスタートさせることとし、その基盤整備のため、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業(6900万円)を新規要求した。薬剤師資質向上の面からは、資格取得後の生涯学習を効果的に実施するため、そのあり方やプログラムを検討し、資質向上のビジョンを策定する薬剤師資質向上将来ビジョン検討事業費(300万円)を新たに要求したほか、専門薬剤師研修事業(1億1500万円)も引き続き推進する。 
 
 また、2009年度からスタートする新しい販売制度が、円滑・適正に施行されるための体制作りを進めるため、医薬品消費者相談等体制検討費(300万円)を計上し、都道府県等における相談窓口の整備等を検討する。  
 

【麻薬の使用マニュアル作成へ】 
 
 [医療用麻薬の適正使用推進]は、癌対策推進の一環として医療用麻薬の適正使用を推進し、緩和ケアの充実を図るもの。医療用麻薬適正使用推進事業費(2400万円、800万円増)により、医療用麻薬適正使用マニュアルを作成するほか、医療関係者向けの講習会も開催する。 
 
 [麻薬・覚せい剤等対策の推進]では、薬物取締体制の充実強化を図ると共に、若年層を中心とした違法ドラッグの乱用を防止するため普及啓発を実施する。 
 
 違法ドラッグ乱用防止啓発事業費(3300万円、400万円増)を計上し、フリーペーパーやトレインチャンネルを活用して、不特定多数の人に薬物の正しい知識などを啓発する。また巧妙化、広域化する麻薬・覚せい剤事犯に対応するため、暴力団や外国人犯罪組織への取り締まりを強化する。 
 
 [安全、安心な血液製剤の供給確保]では、若年層の献血離れが深刻な状況から、若年層献血普及啓発経費(2600万円)を要求し、若年層を対象に献血への意識調査を行い、その結果を検証した上で、今後の献血推進の枠組みを検討していく。 



(薬事日報 2007年9月3日)


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