
07.06.20
【薬剤師関連ニュース】 イリノテカン封入リポソーム製剤「IHL‐305」 第II相試験へ ヤクルト (薬事日報 2007年6月20日)
ヤクルトは、ナノレベルの粒子の中に抗癌剤の塩酸イリノテカンを封入し、副作用を軽減し有効性を高める抗癌剤として米国で開発中の「IHL‐305」を、今年中にPIIに引き上げる。大腸癌や胃癌などの固形癌の適応を検討する。イリノテカンは副作用が強い薬剤として知られていることから、その点を克服し、より使いやすい薬剤にしたい考えだ。現在、PIを実施中だが、重篤な副作用の発現は確認されていないという。米国で先行して申請し、日本では2013年の申請を目指している。
IHL‐305はイリノテカンを、狙った癌細胞に到達しやすいようにポリエチレングリコールで修飾した直径70〜120nmのナノ粒子からなるリポソームに封入した製剤。リポソームはテルモが開発し、イリノテカンはヤクルトが開発した。
癌細胞は、血管新生を繰り返すため血管壁が脆弱であることから、リポソームを使って正常の血管壁では取り込まれない粒子径にし、癌細胞への薬剤選択性を高めた。また、リポソームには徐放性があるため、イリノテカンを持続的に放出することで有効性を高める効果も狙っている。特に、きめ細かい血管壁を持つ正常細胞には浸透できないため、副作用が低減できることが大きなポイントだ。
米国で実施中のPIの結果をもとに、日本と欧州での開発も検討することにしている。そのほか、癌細胞に発現して薬剤排出に関わっているABCトランスポーターの「Breast cancer resistance protein (BCRP)/ABCG2」の働きを阻害する薬剤の開発も進める方針で、08年にも臨床試験を開始する。
(薬事日報 2007年6月20日)
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