
06.02.27
【薬剤師関連ニュース】 一般薬、リスクに応じ3区分−薬事法改正案を提示 厚生労働省 (薬事日報 2006年2月27日)
薬事法改正案の説明を受けた自民党厚生労働部会
厚生労働省は、23日の自民党厚生労働部会に、▽一般用医薬品の販売制度見直し▽違法ドラッグ対策――を盛り込んだ薬事法一部改正案の概要を提示した。一般薬の販売業態は薬局、店舗販売業、配置販売業の三つに整理すると共に、一般薬をリスクに応じて3区分するとした。注目されていた薬剤師以外で医薬品販売に従事する専門家の名称を「登録販売者」と規定し、一般薬を販売するには薬剤師または登録販売者の配置を義務づけるが、新制度へ円滑に移行できるよう経過措置を設けることも盛り込んだ。違法ドラッグ対策では、対象物質を指定薬物として規制する措置などが加わる。厚労部会は28日に法案審査を行う見通し。
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《専門家の呼称は「登録販売者」に》
一般薬の販売制度見直しは、厚生科学審議会の医薬品販売制度改正検討部会で検討が続けられてきたもの。昨年12月に報告書が取りまとめられたのを受け、制度改正に向けて法案作成の作業が進められていた。
法案によると、焦点となっていた薬剤師以外の専門家については、名称を登録販売者とし、一般薬の販売に際しては、薬剤師または登録販売者の配置が求められることになった。
現行制度で一般薬を販売できるのは薬局、一般販売業、薬種商販売業、配置販売業、特例販売業だが、新制度ではこれを薬局、店舗販売業、配置販売業に再編成する。薬局は全ての医薬品(485成分)が販売可能であるほか、店舗販売業、配置販売業も、薬剤師がいれば全ての医薬品を取り扱うことができる。
また、新制度へスムーズに移行できるように、必要な経過措置期間が設けられる。現行の薬種商販売業は登録販売者と見なすほか、配置販売業についても、法人を含め従来通りの配置販売を認める。特例販売業も同様に、従来通りの販売を認める予定だ。
リスクに応じた情報提供と相談体制の整備を図るため、新しい制度では、一般薬をリスクの程度に応じて3グループに分類し、それぞれに対応した情報提供と相談体制を求める。
具体的には、[1]特にリスクが高いものを第1類(現時点ではH2ブロッカーなど11成分)[2]リスクが比較的高いものを第2類(主なかぜ薬、解熱鎮痛剤など200成分)[3]リスクが比較的低いものは第3類(ビタミンB・C含有保健薬など274成分)――と区分する。
これらの区分に対応した情報提供体制は、「質問がなくても行う情報提供」が第1類は義務、第2類には努力義務を課す。相談時の応答は全てのリスク分類で義務とし、対応する専門家については第1類が薬剤師、第2及び第3類が薬剤師または今回新設される登録販売者である。
【医薬部外品も3種類に分類】
さらに、▽薬局・店舗においては、取り扱う医薬品の種類や店舗にいる専門家の種類、相談対応が可能な時間帯等を掲示する▽第1類医薬品は、オーバー・ザ・カウンターによる販売を求める▽一般薬をリスク分類ごとに分けて陳列する▽薬剤師、登録販売者、その他従業員の違いが見分けられるように、着衣・名札を区分する▽医薬品の外箱にはリスクの程度が分かる表示を行う――ことも求めた。これらは省令によって定める方針である。
このほか、医薬部外品についても「口中清涼剤、制汗剤等」「殺虫剤、殺そ剤等」「ドリンク剤、きず薬等」の三つに分類し、これらを分かりやすく表示することになった。
なお、販売制度にかかる改正法の施行は、公布日から3年以内とするが、リスク分類は07年4月1日、登録販売者の試験は、公布日から2年以内の政令で定める日となる。
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《違法ドラッグ対策、物質を指定して規制》
【違反行為には重い刑罰】
一方、違法ドラッグ対策面の改正では、薬事法の目的条項に、違法ドラッグとなる物質を指定薬物として規制する措置を加えて対応する。施行は公布日から1年以内の予定。
指定薬物は、幻覚や中枢神経系の興奮・抑制作用を有する蓋然性が高く、乱用など保健衛生上の危害が発生する恐れのある物質で、厚生労働大臣が指定するもの。具体的には、麻薬類似化学物質、亜硝酸エステル類、幻覚植物成分から、物質が個別に指定されることになる。
指定薬物になると、医療や産業用など一定の用途に使用される場合を除き、製造、輸入、販売等が禁止される。また、指定薬物の疑いがある物品に対しては、厚労大臣または知事が検査を命じることができる。検査命令を受けた者は、検査中はその物品の製造、輸入、販売等ができない。
違反行為に対しては、「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」が課される。無承認無許可医薬品の販売は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」であり、指定薬物は罰則がより強化されることになる。
「5年以下の懲役」は業務上過失致死傷、ひき逃げなどの量刑と同一であり、「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」は、現在世間を賑わせているライブドア事件に見られる開示書類の虚偽記載や風説の流布、偽計罪と同じ重い刑罰となっている。
違法ドラッグは、アダルトショップやインターネット等で販売され、乱用による健康被害や、麻薬等の乱用へのゲートウェイドラッグ(入門薬)になる恐れが指摘されている。今回、薬事法を改正して流通面の規制をかけ、迅速・実効性のある取り締まりを行おうとするもの。
違法ドラッグ対策としては薬事法改正のほか、麻薬に指定すべきものは迅速に指定する作業を、流通規制と並行して行うと共に、中高生等を対象にした乱用防止の啓発活動を強化していく予定だ。
(薬事日報 2006年2月27日)
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