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  • 2010.08.23
    【薬剤師関連ニュース】◆高齢者医療、75歳以上の制度廃止‐現役世代と同じ制度に加入◆厚生労働省の高齢者医療制度改革会議◆(薬事日報 2010年8月23日)
 
■国保運営は都道府県単位へ
 
 厚生労働省の高齢者医療制度改革会議(座長:岩村正彦東京大学大学院教授)は20日、中間取りまとめ「高齢者のための新たな医療制度等について」を決定した。75歳以上を対象とする独立方式の現行制度を廃止し、高齢者も現役世代と同じ制度に加入する仕組みにすることが柱。地方公聴会、一般国民との意見交換会も踏まえ、国や地方公共団体の財政責任を明確にするなど、前回会合で示された原案の書きぶりを修正したものの、一部委員で反対が根強い国保の財政運営を、全年齢で将来的に都道府県単位化する方針も盛り込んだ。

 新制度では、現役で働く高齢者や被扶養者を除く75歳以上の8割が、市町村国保へ移行する。ただし、単純に市町村国保に戻した場合、多くの高齢者で保険料の増加につながるため、一定年齢以上の財政運営を若年者と分け、都道府県単位とすることで、都道府県に住む、同一所得の高齢者の保険料を統一する現行制度の利点も維持する。一定年齢の水準は、少なくとも75歳以上に設定する方向だが、退職年齢や年金制度を考慮し、65歳まで引き下げる可能性もある。
 
 
 また、今回の制度改正には、後期高齢者制度の廃止を契機として、懸案となっている国保の広域化を実現し、国保の安定的で持続的な運営を確保する狙いもある。
 
 同日の会合に欠席した神田真秋委員(愛知県知事)は、記載の削除を求める意見書を提出したものの、厚労省は「全年齢を対象とした都道府県単位化を実現すべきという意見が大勢」と説明。岩村座長も、反対意見があったことを紹介しつつ、大方の意見として取りまとめを行うべきと判断した。そのため、当面は市町村単位を続ける現役世代の財政運営も、早期に都道府県単位に移し、簡素で分かりやすい制度体系を目指す方向性を明記した。
 
 さらに、世帯主でない高齢者には、国保の保険料納付義務が課されず、収納率が低下することも懸念されるため、徴収を担う市町村に、収納率を高めるほど保険料を安く設定できるインセンティブをつける。
 
 このほか、税と保険料の役割分担や、景気・雇用への影響にも配慮しつつ、一定割合を現役世代の保険料で支える。また、国と地方がそれぞれの役割に応じて、財政上の責任を十分に果たす重要性も指摘し、公費投入のあり方を検討課題に位置づけた。
 
 なお、この日は長妻昭厚労相と足立信也、山井和則両政務官も出席。長妻氏は冒頭のあいさつで、会議における年末の最終取りまとめを目指した議論と並行し、野党の理解を得る努力を進め、頻繁な制度改正を避けたい考えを説明した。今後、一定の条件を置いた財政影響試算を、秋に厚労省が提示する見通しで、会議では、国保の都道府県単位化の工程、財政調整や公費投入の具体的なあり方の議論を掘り下げていく。
 
 また、2013年4月をメドとした新制度の円滑施行に向けて、厚労省は国保の効率的なシステム構築の具体的内容を探る、「高齢者医療システム検討会」を20日付で設置。9月上旬に初会合を開く予定だ。
 
 
 
(薬事日報 2010年8月23日)  薬事日報

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